Giddeus/Catastrophe

 




 指がそっと押し当てられたそこ。そんなとこに、数珠とか、いれちゃうの。それが、その筋の人なの。てか前後って、そういう。
 ヴァルの唇が耳を咥えて、そのまま首筋を降りていく。
「ミスラは女ばっかだろ」
 背中から抱きしめられたまま、ヴァルの手がマルクワルドコルの中に入り込んでくる。
「だからそうやって楽しむんだ」
 あの泥棒猫さんが、裸で子分とニャンニャンするのを想像して顔が熱くなる。お尻にこんなの入れて、気持ちいいのかな。親分が子分に突っ込んじゃうのかな。なんか、ちょっと、いやだエロイ。
 あ、ちょ、ちょっと。
「勃ってきたな」
「や、いや、えっと」
 佩楯の上から撫でられて、かたくなってたのがばれた。
「めいっぱい数珠中に入れて、それからゆっくり引っ張り出すんだ。天国見えるってよ、気持ちよくて」
 佩楯ずらされて、手が下半身に潜り込んできた瞬間さすがにやばいと思ったのに、身体はあっさりとヴァルの手によって繋ぎ止められた。大きな手のひらが自分の胸を掴んで放さない。
「ガチガチだなぁ、溜まってた?」
「や、っあ、だめ」
 なんか、あ、出る。
 こんな所で、って思うのにヴァルの手が止まってくれない。両手で必死で口を覆ってみても、短く断続的な声が指の隙間から溢れるように零れていく。一瞬にしてヴァルの手の中に吐き出して項垂れる。
 まただよ。
 大きく息を吸ったらその口にヴァルの唇が重なってきた。
「ん、ン」
 出したばかりなのに、そのまま刺激を与えられてたせいかちっとも萎えない自分に腹が立つ。いつの間にか佩楯は膝まで下ろされてて、自分の出したぬるぬるの精液がヴァルの指でお尻に塗り込められていくのが分かった。
 ちょっと、ちょっ。今日は赤モコ草取りにきたんであって、そういうことしないって言ったじゃん。抗議しようと伸ばした手がヴァルの耳を掴む前に、長い指が一本、ずるっと身体の中に入ってきた。
「ひぅ、う、ひっ」
 もう声にならない。
 かき回されるように何度も出し入れされて、やっぱり同じように前も擦られて後一歩届かないもどかしい何かを必死に探るハメになる。自然と腰が揺れてる気がして一気に血が顔にたまった気がした。
「もうよさそうだな」
 なんでそんなに準備がいいのか、先ほどまで自分が持ってた数珠にオイルをふりかけると、ヴァルは一番直径の小さな部分を摘んで持ち上げる。目の前にだらりと垂れ下がる数珠。
「力抜いてて」
「え、やだ、これいれっう」
  指を引き抜かれて思わず唇を噛んだ。冷たくて堅い感触がお尻に当たって、それをゆっくりと押し込んでくる気配。身体の中に音を立てて飲み込まれていく小さな数珠が、見えてもないのに頭の中で想像しちゃって恥ずかしくてヴァルにしがみついた。
 ひろがって、飲み込んで。
 ひとつ入れただけなのに息も絶え絶え。
「まだ一個でしょ」
 軽く笑われてヴァルはふたつめの数珠を当てた。ひとつ飲み込んだらふたつはあっという間で、お腹の中で数珠と数珠がこつん、と当たった音がした気がした。
 みっつめは数珠が大きくなったのかさっきよりずっと苦しくて、でもぐいぐいと押さえられて入っていく。ゆっくりとだけど確実に、着実に数珠はお腹の中に入っていく。どんどんお腹は重たくなって、押し込まれるたびにごつごつとした音が聞こえた。
「出すなよ、まだ」
 変に力入れると、どうも押し出してしまうのかヴァルが数珠を押さえた。
「やだ、も、おなかいたい」
「まだ7個だって。気持ちいいの好きでしょ」
 


 

 

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