Girl in the Looking Glass/Catastrophe

 




 佩楯取り払われて、下半身丸出しで、何してるかって。
 …ナニを握ってます。

「握ってるだけとか、これ以上笑わすなよ」
「いや、ええと」
 すみません。
 とにかく、握って擦ってみるけれど、勃起しない。
 前に手コキしあったのは、お互い勃起状態で抜かないと眠れないって状況だったからであって、今みたいに通常モードから戦闘モードにするとかしたことないわけです。
 というか、エルヴァーンは勃起していなくても大きいです。
「お前自分でどうやってんの」
 あからさまに気持ちよくないんだけど、と言われて傷ついた。
「こ、こうして」
「そんなんで、いけんの?」
「ひっ」
 いきなり自分のナニを握られて変な声が出た。
 握られて、軽く擦られて、敏感な部分を撫でるようにして刺激されたら普通勃起するよね。
「う、あっ、ん」
 擦られて下半身にじわじわと熱が溜まる。
 握っていた手が止まっていたのは自分でも分かっていたけど、久しくそんなことしていなくて、ぶっちゃけ溜まってた。与えられる刺激は自分でするより凄く気持ちよくて、折角とまっていた涙がまたじわりと滲む。
「自分だけ気持ちよくなるなよな」
「ご、ごめん」
 もういいわ、と言われて解放されるのかと思いきや、彼は手近なクッションをたぐり寄せて自分の腰の下に積んだ。
「な、なに」
「足抱えて、ほら」
 思いっきり足を上に押し上げられて、膝を肩に押しつけられる。苦しくて呻くと、両手でその足を掴まされ、クッションの支えもあって、まるでお尻だけをあげてるような、なんていうか、エロ本に出てきそうな恰好をとらされた。勃起した自分のものが丸見えでやけに恥ずかしい。
「なに、する、のっ」
 彼は何かを手に取って指に塗り込めると、尻にも塗りたくる。
 なにするの、とか聞いておいてなんだけど、何をするかなんて分かりきった話だ。恰好のせいで、自分の尻を這う指が見えるのがいやらしい。
 別に縛られているわけでもないのだから、逃げればいいのに身体がそう動いてくれない。
 逃げられるのに、逃げなかったのだから、これは合意だと言われても仕方がない。
 なんで、逃げなかったのだろう。もう二度と会うこともないかもしれないのに。300万ギルの慰謝料なんて、口約束なのに。
「やっぱ、やめて、お金頑張って作るから」
 ここまで来てやめてくれるはずがない、分かっててそう言った。
 当然彼は聞こえてるのに聞こえていないふりをして、指先で尻を、こじ開けた。指が、ぬるっとした指が身体の中に入ってきた事で、痛みよりも、その感触の気持ち悪さで藻掻いた。
「暴れるな」
 何かを叫んでしまったのか、口を大きな手で押さえられ、彼の大きな身体で身体を押さえ込まれた。涙がぼろぼろとこぼれて止まりそうになくて、下半身に響く痛みが何が起こったかを知らしめてる。
 痛い。マジで痛い。
 蝉貫通のシックルスラッシュってレベルじゃない。
 身体を押さえつけられたまま、指が何度か抜き差しされるも痛みは尋常じゃなくて思わず彼の腕に縋り付いた。
「指一本でこれかよ」
 これで指一本とか。
 セックスなんて無理、無理だ。
「息吐いて」
 言われて必死で息を吐く。
 口は押さえられているから、ふーふー、と変な呼吸音が響いた。
「今から指増やしてくから。三本入ったらオレの入れるね」
 増やす?
 入れる?
 指をぐっと押し込まれて痛みに身体が跳ねた。身を捩って逃れようとするのを彼の腕が押さえ込む。
 涙で滲んだ視界に彼の顔が近づいてきて、額に唇を押し当てられた。

 

 

 

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