腰をすくわれて鉱山の岩場に尻をついた。ヴァルの顔が近づいてきて、膝と膝の間にヴァルの膝が入って来る。
「ま、まって、それってぼく楽しいの」
ヴァルの服を必死で掴んだら、優しい唇が額に押し当てられた。
「この間の回答だけどさ」
唇はそのまままぶたや頬、鼻の先、唇に降りてくる。重なりそうなほど近くに唇があるのに、その唇はそれ以上降りてこない。
「オレはフリッツと気持ちよくなりたい」
いきなり肩を強く掴まれて、そのまま引き寄せられた。すぐに手が肩から背中、そして腰に降りていく。戸惑っている暇もなく佩楯のなかに手が滑り込んできて、その冷たさに思わず身震いした。
太ももを伝っていくぬるついた、なにか。
「え、ちょ」
「スライムオイル」
ああ、なんだ、って納得すると思ってるの。
慌てて肩を押しのけようとするも、お尻を弄ってる手とは逆の手が自分の身体をおさえるように抱きかかえていて身動きが取れない。しかも同じ場所ばかり擦るっていういか、塗りつけるっていうか、とにかくぬるぬるできもちわるい。
「あ、ぁ、やだ、こんなのぼくきもちよくない」
「オンナノコだって最初はそうだろ」
指の先が軽くはいってくる感触。
「そ、そうだけど」
耳たぶをかじられて肩をすくめた。
ぬるぬるだからなのか、それともなんかされちゃったのか指はゆっくりと深くはいりこんでいく。おかしいよ、前はもっと痛かったのに。そう思ったらヴァルの指を意識しちゃってなんか色んな場所がきゅうっとなった。
「うぅ、やだ、やっぱいやだ」
「慣れたら前擦るとか比較にならないくらい気持ちいいんだけどな、ここ」
はいりこんだ指が不思議な感覚をつれてくる。
ふわふわとした、分からないけど、浮遊感みたいな。
「ほんと?」
「本当」
そう囁いてヴァルは首筋に吸い付いてきた。
「蝉まわすのキモチイイだろ、それと同じだよ。何度もやらないと」
なるほど。
「お前はまだレベル2くらいなわけ」
「じゃあレベル5くらいになったら気持ちよくなるの?」
採掘用に着てきたワーカーチュニックをまくりあげて、ヴァルは胸を撫でてきた。
「人にもよるけどね、レベル10くらいかな」
そんなにレベルあげるのに何回やらないとダメなの。
あからさまに顔に出ていたのか、ヴァルはすぐにレベルあがるよ、と微かに笑った。そのままキスされて、胸を撫でていた手がすべるように下半身に下りていく。
気がついたら指はなんだか結構奥まではいってた気がした。オイルでぬるぬるしてるせいかちょっとだけ苦しいくらいでひどい痛みはない。
「はい、頑張ったご褒美」
「ぁ、は」
あれを握りこまれて思わず腰を引いたら、なかにあったヴァルの指が音を立てて抜けた。
や、やだ、なんかその感覚。
考えたくない。
その考えを塗りつぶすように、またヴァルの指がもぐりこんでくる。それと同時に前も擦られて、頭の中は一気にかき回されたようにいろんな色が混ざり合ってぐちゃぐちゃになっていった。
もう考えられることはひとつだけ。
「いきたい」
お願いするようにヴァルの腕を掴んで見上げた。
もうどこがどうなにがどう気持ちいいのかも分からない。動いてるのはお尻なのかそれともヴァルの指なのか。ヴァルの長い指が絡んで擦られるとたまらなく気持ちいいのに、なんとなく気持ちよさの中心がそこだけじゃない気がする。
加速する手、ヴァルの腕を掴む自分の指に力が籠もる。
だめだ、もう。
「う、や、あぁ、ぁ、あっ」
あー…。
なんか今冒険者協会公式レベルアップファンファーレが響いた。
レベルアップおめでとう、自分。
なんか、あれだけど。凄くうまく丸め込まれたそんな気がするけど。
気持ちよかったからもういい。
|